始めからダメだった日本のマスコミ

明治の始めより西欧を真似して日本にも新聞社などマスコミが登場します。その明治の間もない西南戦争で早くもメディアスクラムが存在したというから驚きです。西南戦争と言えば西郷隆盛が明治政府と闘った戦争として知られています。当時から西郷隆盛は人々の間に人気が高く政府は相当な危機感を持っていたらしいのです。世論が西郷さんを応援して明治政府が悪者になる事を恐れていたのでしょう。これに対処するため取った作戦が新聞社を利用した西郷軍へのいわれなき非難中傷です。この戦争で西郷軍がどんな残虐非道な行いをしているかをでっちあげ記事にして日本全国にばらまく。その記事は地名も人名もないどうみてもうわさ話にしかならない内容のもので、そんな記事を量産して政府に協力するマスコミ。もうこの時から戦前の戦争協力体制の萌芽が見てとれます。こういう体質を今も引き継いでいるように感じる。
「空気」の研究 山本 七平 (著)から