石橋を叩いて渡るブリジストン

F1におけるミシュランvsブリジストンは以前から一発の速さのミシュラン、レースでの耐久性を重視したブリジストンという流れがあった。昨年までフェラーリとのマッチングもあり勝利を重ねてきたブリジストンだが今年のレギュレーション、予選から決勝終了までタイヤ交換不可になってからフェラーリの不調もあり勝利から見放されていた。


それは耐久性より速さを追及してきたミシュランがギリギリセーフでタイヤが最後まで持ってしまった場合の幸運の上になりたっていた。その事が余りにも明白になってしまったアメリカGPではミシュランユーザー全車棄権という事態に陥り、今期初のブリジストンの勝利がもたらされた。


ここから見えるのはブリジストンの耐久性に振りすぎている傾向である。逆にそこにチャンスを見出したミシュランでもある。ブリジストンも今期不可解なタイヤブロウがあり耐久性もかなり削って速さに振っている傾向もあるがまだまだ余裕があると感じる。


もちろん安全性という面でブリジストンの考えは間違っていないのだろうが、そこを徹底的に利用して有利に立ってきたのがミシュランの戦略だった。今回のアメリカの事態を受けてもこの流れは変わらないだろう。更にブリジストンは耐久性は重要だと認識しミシュランはその間隙を抜って挑戦的なタイヤを持ちこむ。


企業風土として抜け目無いミシュラン対石橋を叩いて渡るブリジストンという風に見えてしまう。またはこれが日本とフランスの国民性の違いまで広げてしまうとちと違うかもしれないがそういう傾向はありそうだ。