たった一人のreisen

人間古くなると新しい考えが出来なくなって既存の思考を借りて考えようとする。冷戦は完成された構造で有名で拝借しやすい。もうその構造は崩れてしまって現実には残ってないのに人間の思考の中にだけしっかり残ってこびりついている。そういう冷戦構造に長く身を置いた人間はそこから抜け出せないのかもしれない。だからまったく変わってしまった今の世の中にも冷戦構造を当てはめてしまう。それはその当時のように声高にイデオロギーを主張しないが既存の体制が目下の敵である。それは何も強制しないし何を主張しても自由は守られている。なのに既存の体制には圧倒的に抗し難いのである。一つでもレールを外れれば奈落の底が待っている。格差社会とかワーキングプアとか言われてお前もそうなりたいかと脅かされる。これは最新のおとぎ話か新手のシベリア送りか。こうして萎縮して逃げ惑う。反体制として孤立する。それはただの思い過ごしというやつなのか。