動物を守るのも人間の都合である

 人間程生に執着する動物はいないのではないか。他の動物は人間程生に執着しているように見えない。死ぬ時はあっさり死んでしまうのである。それを人間が勝手に悲しんだり喜んだりしている。多くの動物はちょっとした怪我でも致命的な原因となり死んでしまう。それだけ厳しい世界でもある。それを救うのは人間の勝ってである。かわいそうと思うのは人間だけの感情である。自然界では子供がちょっとはぐれたり迷子になったらそれで終わりである。そこに哀しみは無い。それはよくある事であり、用意されている事であり、想定の範囲内のことであり、それを期待している世界がありバランスを保っている。人間がそういう世界に入っていって手を下すのはバランスを崩す行為に他ならない。親は平然と子を見捨てる。いや捨てるのではないそれは人間の感情。そういう事が起きるだけである。
 なのに人間は哀しみとか喜びとか面倒なものを沢山背負い込んであーだこーだややこしい。起こりうる事が起こってそれは過ぎていく。それはそのまま受け入れるべきなのに、人間はそれができない。それが人間の進化の過程で備わったものかもしれないが過信してはいけない。謙虚でなければ自然を冒涜することになる。確かに他の動物にできない困難を乗り越えて繁栄してきたのが人間だけれどもそれをするのが人間だとしたら傲慢だろう。何事も行き過ぎた行動は災厄を齎す。人間は未だにバベルの塔の建設を進めているのだ。