全てを破壊したとしてそれに代わる秩序を用意できるのか

それが用意できないなら自らも破壊される対象になる無秩序な世界が残されるだけだ。それがお前の望むものなのか。古いものは腐っている。だから新しいものに取って代わる必要はある。しかしそれが絶えず抗争が絶えない戦国時代に陥っては世の中が疲弊する。
 今はネットの登場で新しい時代とか言っているわけだが新技術の登場で大騒ぎするのは過去何回も繰り返された事だろう。むしろネットの登場は他の技術よりずっと地味に始まったと言っていい。例えばテレビならいきなり映像が映った時は腰を抜かすくらい驚いたり世間は新しいテクノロジーの前でバラ色の未来を描いたりしたはずだ。そういう意味ではネットも同じだが。その原型はパソコン通信で文字しか送れなかったからテレビもFAXもあった当時は何ら衝撃も無かったわけだ。インターネットが出てきた時もパソコン通信との違いも分からず絵が表示できるらしいという位の認識しかなかった。その後誰でも情報が発信できるというところが認識されるようになっていくがhtmlの敷居はそう手軽なものでは無かったからネットの広がりは徐々にという感じである。まぁ電話でも車でも普及に時間はかかったが登場した時はそれなりに社会にインパクトを与えたがインターネットは母体が軍事利用という事もあってひっそりと誕生した。
 そのネットによって秩序が塗り替えられようとしているがまだその秩序がどのようなものになるか見えてこないので不安があり既存の勢力は古い秩序にしがみ付いたままだ。何らかの秩序を確立しないと下克上の世界になってしまうので。ネット社会の確立は新たな権力ゲームの始まりに過ぎないのかもしれない。戦国時代が終わって武家社会が確立したようにネットも新たな秩序が確立してしまえばそこには新たな士農工商が生まれるだけなのか。それでは余りにも世界歴史を日本の歴史に当て嵌めてないか。それが日本人の思考の限界。いや俺の。