「自分ですぐできる免疫革命」はトンデモか

自分ですぐできる免疫革命

自分ですぐできる免疫革命

この本は買ってはいけない、読んではいけない、見ちゃダメ。しかし、そう言われれば見たくなるのが人情だろう。まぁそれ程のものでもない、この位の本はいくらでもある。本屋で何気に目に入り衝動買いしたんだけれど、結果的に結構面白かった。で思ったのはこれはトンデモ本と呼ばれるものだろうかというものだった。内容は「免疫革命」の感想だけど殆ど同じなので以下のサイトによくまとまっている。
免疫革命
つまり著者は現代医療に果敢に反旗を翻しているわけである。この本は以前「ガン免疫力」で出て文庫版に名前を変えて出たものらしくガンの話が中心なのだが切除、抗がん剤放射線治療の三大療法を真っ向から否定する。ではどうするかというと免疫力を高めて自然治癒を待つというのだから、まさに衝撃だ。これをトンデモと言わず何をトンデモというのだろう。この主張の前では水伝もゲーム脳も霞んで見える。しかし読み進めていくと妙に説得力があるのだ。これは著者が論理的だからというわけではなく現状の医療のあり方に誰もが疑問を持っているからだろう。医者は昔は尊敬される職業だったが今じゃ軽蔑と言わないまでも悪しく見られる存在である。格差社会の仮想敵とも位置づけられているだろう。ある意味人々が薄々感じていたことを代弁しているのだ。しかしここまで現代医療を否定して大丈夫なのかとこっちの方が心配になるくらい過激なものである。訴訟を起こされるのではないかと心配になってしまうくらい。日本医師会が黙ってないのではと。
 この著者の安保 徹という人を世間に疎い自分は知らなかったけれど免疫革命シリーズでかなり有名になってるみたいだ。
Amazon.co.jp: 安保 徹: 本
アマゾンでも54件もヒットする。いわゆるその手の量産家というのかもしれないがそれだけ要望もあるということだろう。で自分はどう思っているのかと言われればすっかり籠絡されてしまったというべきかもしれない。まさしくその通り現代医療が間違っていてこの本が正しいと。しかしガンは未だに治せない病気だし年間30万人以上の人が亡くなっているのだからこれに批判を加えるのは割りと簡単な話なのだ。だからベルトコンベアー宜しく患者を流れ作業的に扱うことも止む得ない面もあるし同情すべき面もある。そういうシステムの脆弱性に著者は上手く切り込んだとも言える。しかしガンがこれほど増加したのも高齢化が進んで潜在的ガン患者が表面化しただけで死因がガンであっても殆どは高齢の為なくなっているのだから仕方がないとは他の全然関係ない本でも言っていたことなので常識みたいなものだろう。とにかく病気と身体の関係を改めて見直してくれる本だとは言えよう。