「要は、勇気がないんでしょ?」で始まる政権交代

※書き手は未だに政権を取れない民主党幹部


ちょっと前の話。今よりも僕はずっとずっと言い訳をするのが好きで、理屈を説明するのが好きだったんです。
でまぁ、当時も今と変わらず政権取れないんで、
男友達と飲みながら「解散に追い込めない、だから政権交代できないんだ」と文句言ってたのです。
永田町で。


したらまた、この友達が「じゃあ、わかった」と言うのです。「今から問責決議案出そう」と。
問責決議案なんか出したことないオレは焦りました。「いや、ちょっと待って」とあわてます。
でも友達は、少し遠くで飲んでいる公明党共産党を指さし、「あそこ行って連合を組もうぜ」と言い、席を立ちます。
オレは「いや、向こうも迷惑だし」とか「さすがにうざいっしょ」とか言って止めます。
友達は「嫌がられたら戻ってくればいいんだよ」と言ってましたが、オレが動こうとしないので行くのをやめました。

「じゃあ、公明党と組まずに、自民党と組むか?」と友達は言います。
「逆にそっちの方が難易度高いだろ」とオレは顔をしかめます。
「でも解散できないんだろ? だったら他の方策さぐるしかないだろ」と友達は口調を強めます。
「そうだけど、もっと普通に政権交代したいっていうか」とオレ。
「なに、普通って?」
「内閣不信任案とか、支持率とか、そういう…」とハッキリ言えない自分。
「じゃあ、オレが今から暫定税率廃止法案提出すればいいか? それで支持率アップするよな」
「それは…、だけど、ほら、お前もこの前言ってたじゃん。支持率だけで成立した政権は人気取り政治とか」
「は?」
「その…」
「…人気取り政治じゃねぇよ。ノリが良い政治だよ」
「あ、そうだったね。…でもオレ、ノリが良い政治、少し苦手だし。そこまでして解散して欲しいってわけでもないし…」
友達はオレの顔をじっと見つめながら、一言、
「だせぇ」
と言いました。


ごちゃごちゃ言ってるけど、勇気がないだけじゃん


彼は言います。
言い訳をして、さも「こういう事情なんだ、だからしょうがないんだ」って言うけれど、
勇気がない自分を必死になって正当化してるだけじゃん、と。

政変起こす勇気もないやつが、解散できないとか言うんじゃない。


どうせ暫定税率失効させても「再可決されちゃう」って言うし、
一般財源化すると言われれば「その案に乗るべきだ」とか言うだろうし、
問責決議案出そうとすると「いや、慎重に行うべきだ」って何かにつけて言い訳するんだろ?
だったら「自分には政権交代する勇気がないんです」って素直に認めて文句言うんじゃねぇよ。
そっちの方が、よっぽど何かってときに力になりたいってと思うし、
つーか、できない理由並べて、今の自分を否定させずに、わかってもらおうとするその魂胆がだせぇ、と。


あれは恥ずかしかったなー。すげぇ。恥ずかしかった。
その場は言い訳もできず笑ってごまかしたけど、家に帰ったら彼の顔とセリフが思い浮かんで、
布団の中で「でもさ、でもさ」と必死に言い訳考えてた。
オレにはオレの事情があるんだ、しょうがねぇじゃんかよって。Perfumeの「ポリリズム」聞きながら(笑)


ひとしきり考えたら、そんな自分を「だせぇ」って思った。