日本のエイプリルフールはなぜつまらないのか

日本は嘘をついてはいけないという事を基本としている。だからエイプリルフールを嘘をついてもいい日として解釈する。ところが欧米では嘘は敵を欺く手段と認識されている。嘘は日常茶飯事なのである。だから情報を常に嘘だろうと疑がってかかるリテラシーが備わっている。そういう緊張状態から開放される日としてのエイプリルフールであり、いわば停戦協定の年に1回の休戦日なのである。つまり今日だけは情報を疑わなくてもいい日、つまり最初から嘘だって分かっているのだから情報を吟味する必要が無い休養日なのであった。
 それを何か祝祭日のようにはしゃいでしまう日本は能天気のお人好しというべきか痛いと言うべきか。もちろん自分もその中の一人なのだ。昔は日本も嘘を嘘で裏をかく情報戦が繰り広げられていた時代があったはずなのだが、長い平和は日本をここまで落とし込んでしまったのだろうか。