なぜテレビにはアナウンサーがいるのだろう

テレビが映し出すものに殆ど解説は不用である。それは見れば分かる世界なのである。なのにテレビは何をあんなにべらべらしゃべっているのだろうか。その思いを考えてみるとラジオという存在が影響しているのだろうと思い当たる。もしラジオが無くいきなりテレビが発明されたらテレビは今と違った姿になっていたのではなかろうか。つまりテレビの番組がラジオから引き継がれているということ。中継、ドラマ、ニュースとラジオで行ってきたものをそのまま引き継いで映像を付け足しているのだ。中継にアナウンサーは必要なのか。ラジオドラマの延長になっていないか。ニュースはどうか。もちろん最新のテレビは映像の利点をふんだんに使っていると思う。しかしその開始時点でラジオの影響はかなりあってひな形としてのラジオ放送から抜け出させていないのではないのかと思うのである。野球の中継をみてももちろん細部はしゃべらなくなったろうがアナウンサーは何となく実況してしまう。しかし映像は見えているのだから実況でなくどうするという発想がなく何となくラジオの型を嵌め込んでしまったのではないか。企業形態としてのラジオがあってテレビに発展したとき会社特有の組織保全がなされてしまった気がする。