ワーク

仕事もある程度慣れてくると効率性を求める。誰だって無駄な作業はしたくないものだ。これも度が過ぎると手抜きとなるけど。とにかく効率性を求めると仕事が面白くなってくる。しかし効率性を求めても誰も誉めてくれない。それはせいぜい自分の休憩時間を作り出す為の行為くらいにしかならない。それどころか自分の首を絞めかねない行為でもある。幾ら効率的に仕事を進めても最初は認められても直ぐに当たり前になってしまう。仕事は多くの場合相手があるものだから相手が一旦それを受け入れたら次からは当然のようにそれを要求してくる。一度できた事は次から当然になってしまうのである。驚きもノルマになってしまうのだ。つまり効率性を追求しても自分が大変になるだけなのである。
 三日でできている事が二日で出来るようになった。一度それが知られてしまうと次からは二日でやるのは当たり前。それが一日で出来るようになる。それが当然の要求になってしまう。そういうのはある程度仕事をしていれば分かってくるが仕事を続けていると危機が到来する。一種のセキュリティホールである。無理な予定でどうしてもやらなくてはいけないという事が起こる。それが出来た時は喜びである。しかし次からはそれは出来たじゃないという目で見られてしまう。がんばればがんばるほど要求が高まってしまう。地獄のスパイラルである。同じ仕事を続けているとどんどんそんな状況に追い込まれ担当者の間では独特のルールが形成され誰もその仕事に入り込む事は出来なくなる。こうなると当事者が倒れるまで状況は悪くなるしかない。そういうことがあちらこちらで起こっている。