人生と歴史

大きな事件事故が起こっても大抵は直接には関係しない。私たちが過去を知る時伝聞や書物ではその時代はこうだったああだったと色をつけられるが今の自分を振り返ってみれば今の時代と相対する気分もある。といってもそれが時代から自立しているということでもないけれど。後で振り返ってみれば時代にすっぽり覆われていたと思うかもしれない。そうであっても自分は自分として生きている。余り時代に関係なく生きているようでそれとなく関係しながら。そう思えば過去をそういう時代だった言い切ってしまうのは余りにも乱暴な話である。それぞれの人間がありそれぞれの生き方がある。それでもその時代の風潮は確かにあるだろう。昔は犬なんてそんなに大事なしなかったとか。捨て犬なんてよくある話とか。今だって多いけど。どの時代だって自分のような人間はいたはずだし昔は異星人が住んでいたわけではない。今とさほど変わらない人間が違う環境に生きていたというだけの事である。もちろん大事なこと、それに対する比重が現在と違うものなのだろうが。それでも過去の人間と通じ合えると感じるのは同じ人間が生きているという感触であるはず。昔の人でも歴史的事件とは距離を取っているだろう。今の自分が現在の重大事件と距離を取っているように。重大事件より自分に関係した事の方が自分にとって重大なのは今も昔も変わらない。今を生きる私たち。過去に生きていたそれぞれの人もそれぞれの問題を抱えて生きてきた。そこに時代の色づけされる前のそれぞれの歴史があったはず。