死んだ人間には敵わない

死んだ恋人には誰も敵わない
いつもはすっかり忘れているのに
その瞬間に思い出すのは死んだ恋人
誰もそれを妨げる事はできない
もう顔も声も忘れてしまっているのにその感じだけが残っている
死んだ人間には敵わない
いつだってあいつを目指して挑んでいるのに
あいつはいつも一歩先にいる
俺の到達した着地点のちょうど一歩先に
もう顔も声も忘れているのにその幻影だけが消え去らない