私とあなたの違い

私と他者の違いは何だろう。それはまず遺伝子が違うと言うだろう。しかし極端な話、遺伝子が同じでもクローンでも個体が二つあれば他者と認識するだろう。あなたのクローンが存在してもそのクローンを自分のと思う人間はいない。意識は別にあり体によって下界と離された存在だ。その中で別な経験した別な記憶を持つ別個な意識である。だからクローンが幾つ存在してもそれぞれの個性を持つ。そこでは差異が相対化してるだけの、つまり現行より差異が縮小しただけのそれぞれの他者がいるだけだろう。確かに見かけは似たもの同士が集まっているように見えるがその世界ではやはり他者の集まりに過ぎない。ちょうど人間からみれば他の動物の集団がみんな同じように見えるように。だから私とあなたの違いは遺伝子以外の要因の方が大きいのではないか。
 よく自分は何億という精子の1個から奇跡的に生まれたという言い方がされるが本当にそうなのか。確かに兄弟を見れば似ているようで違う。どうして私は私と感じてあなたでないのか。どうもそれは遺伝的なものより時間的場所的相違と方が影響が大きいような気がしてしまう。いやそれよりも時間と場所と遺伝が関係するとしても意識はそれとは関係ないところで発生するような。いやいや時間と場所と遺伝が関係しても意識は生まれたときには存在せず後から備えられるものだから先天的というより後天的なもの経験的なものだろう。いやだから別な精子で受精しても自分は自分として存在するのではないかと思ってしまう。つまり遺伝的に少し違っていてもそれによって経験も変わっても全くの別人でなくて、今の自分よりも少し変わった自分が存在していたのかなと思うのである。多分こんな事検証できないので永遠に科学では解明できないだろう。自分が存在したかどうかなんてどうやって調べられる。