真の静止状態が無いなら真の実在の世界も無くてもいい

観測者によってしか静止状態というのは存在しないなら、というか静止状態というのは本来存在せず観測者と観測対象が同一の運動をしている時静止状態にあると言える。というのは観測者によって認められるだけなのだから観測者がいなければ静止状態などと言う事をわざわざ言わなくてもいいのである。
 では観察者がいなければ実在の世界が存在しないというのはどうか。観察者とは何を持って観察者という資格を持つのだろうか。それは人間でなけれなならないのか。言語活動を有する知的活動体でなければならないのか。認識ができる動物ならいいのか。ならサルでも犬でも猫でもイタチでもいいのか。視覚を持つトンボなどの昆虫類でもいいのか。いや何らかの現象に影響を与える物質でもいいのではないのか。何かと何かがぶつかって破壊される。その現象が起こったのはそこに物質が存在したためでありその事件事故を持って世界が実在するという観察者を物質の世界まで拡張する。その傷は永遠にぶつかった証拠として刻まれる。認識の概念をそこまで拡張するなら観察者のいない世界は想定不可能かもしれない。