9.11はソ連崩壊が原因

ソ連崩壊で冷戦が終了し一大超国家支配が始まった。それまで冷戦で辛うじてバランス保っていた世界、抑圧されてきた民族主義は一気に解き放たれ均衡が破れた。これまでは憎しみは常に相手側の陣営に投影することが出来た。その構図が崩れた事により恐怖が人々を襲う。
 今は一国支配に異議申し立てをしたら忽ち身柄を拘束されてしまう。フセイン大統領は米国に異議を申し立てたが忽ち国は占領され大統領を追われ亡き者にされてしまった。もはや彼のような人を庇う大国が存在しないのである。二国間の狭間の中でうまく泳いできた独裁者の居場所はなくなった。反乱者は忽ち捕らえられ捕獲されてしまう。そういう人を匿う国が存在しないのである。冷戦下なら中立国に逃げ込むという手段があった。今の一極支配では全ては権力者の思うがままである。それがテロリズムの新しい展開である。彼らはどの国にも頼らず世界中に偏在し地下に潜り込む。一極支配から脱却しようとすればそういう方法でしか異議申し立てをするしかない。他にどういう方法があるというのだ。現在テロリスト匿って守ってくれる国が存在するだろうか。米国から身柄引き渡しを求められて拒否できる国があるだろうか。そうした一つの価値観だけで判断されてしまう危うい状態に地球はある。