地球温暖化と石油高騰

地球温暖化がクローズアップされる程石油が高騰する。この二つは正比例の関係にあるのか、偶々なのか。
普通に考えると石油が温暖化を進める→石油消費の抑制→石油の供給過剰→石油価格低下
となりそうなのにどうして逆なのか。
 現状は石油消費は全然抑制されてない。それは中国やインドをはじめ高成長国の石油消費が高まって先進国の抑制分を遥か上回っているからだ。で石油の供給不足と石油資源の枯渇問題が刺激される。更に温暖化の議論によって石油の価値が高まってしまっている。石油は使わない方がいいという心理的抵抗は高まるものの技術的解決は進まず消費抑制は思うように進んでいない。
 水は貴重な資源として無駄遣いをしないムーブメントが起きて何が起こったか。これまで水道水を平気で飲んでいた国民が水に関心をよせ注目が高まりおいしい水を求めるようになりペットボトル飲料水が巨大な市場を作り上げてしまった。関心が向くというのはそれだけで対象の価値を高めてしまう作用があるのです。温暖化が石油に関心を向けてしまったのは言うまでもありません。だから枯渇問題が注目されてしまい将来のエネルギー問題が人々の関心事項に繰り上がってしまった。
 人間は考える項目数に限界がある。今何を最優先に考えるか。優先順序の上のものが価値が高まるのは当然。これまで湯水のような価値観しかなかった石油が貴重な資源として認識されその重要性が再検討されている。石油はいままで意識もせず生活にとけ込んでいたのに温暖化問題がそれを意識させ注目させてしまったのだ。寝た子を起こしたと。つまり地球温暖化問題が沈静しないと石油は上がり続けると言えよう。