匂いで記憶

昔の記憶は匂いで呼び覚まされるものが多い。つい今しがたもふと懐かしい匂いを微かに想いだし記憶が蘇りかけたがすーと消えていってしまって思い出すまでに至らなかった。最近はそういう匂いに出会う事がなくなった。世の中が無臭を追い求め匂いが無い世界になりつつあるようだ。確かにお香とか、香りのジャンルはあるがそういう洗練されたものでなくて昔は生活の中に匂いがもっと密接にあってそれがもっと記憶と連動していたような気がする。最近ものが覚えられなくなったのは歳のせいももちろんあるが、匂いが遠ざかってしまった事もあるのではないかと思っている。