国鉄があって専売公社があった頃

世界は冷戦構造で氷結してた。個は無力で不動の平和が高気圧のようにどっしり日本全体を被っていた。世の中非効率でも誰もがそれはそういうもので仕方が無いと思い不満も抱かなかった時代。昼休みで業務は止まり、定時で終了する。スーパーもデパートも6時7時で閉まっていた。不便だけれど安定していた時代。ニュートン力学で全てがきっちり計算できるような時代だ。しかし世の中にも相対性理論が侵入しようとしていたのだ。じっくりと、だが確実に。そして誰もが共通の基準を見失い個々に基準を設定しなければならなくなった。