戦争をしないと少子化になる

 どこの国も長い間戦争をしないと少子化に転落します。別にそれは悪い事ではありません。平和と安定を目指すならそれは必然とも言えるでしょう。必要最低限の人数で平和を謳歌すべきです。戦争というのはある意味リセット機能を備えています。今まで貯めて来た財産や地位も一辺で吹っ飛んでしまう危うさを秘めています。つまり失敗した人や最下層に甘んじている人々にとっては一発逆転のチャンスなわけで何がどうなるか分からない。そのような不安の中に将来の夢を託すような行為でもあります。それが戦争が無いとなれば現状維持が続き社会の格差が進行するしかありません。そんな中では大幅な環境の変化は望めないわけですから人々は守りの姿勢を強いられ生活防衛に走ります。自分の生活水準をこれ以上落とさない戦略を取るならば確実に自分の取り分が減ってしまう人口増に耐えられないわけです。
 今のベビーブーマー団塊の世代と言われる人達は終戦後の混乱期に生まれて来た人達ですが、もちろんその時の日本は不戦の誓いと共に戦争放棄を謳っていたわけですが、誰もその頃はそんな事をゆっくり考える余裕などなく生きるのに精一杯だったはずです。その中で環境が激変し新しい希望だけで後先考えず子供を産んでしまったような感じだったのではないでしょうか。やはりこれからどうなるか分からないという時に生物の本能として生き残る戦略として子孫を多く残すという行動に出るような気がします。
 今も先は見えない時代ですが取りあえずは戦争は当分おきそうも無い。どうなるか分からないとしても大幅な生命危機に陥るような災厄に襲われる心配はなさそう。生物種として危機を感じていないという所でしょうか。結果として少子化に陥る。少子化は平和の代償です。日本が平和を標榜する限り少子化は免れないでしょう。