やって来ない未来過ぎ去った過去

宿題を明日明日と言っていた少年は母親に明日は永遠にやって来ないと嗜められる。明日は日付でなくてその行為で持ってやって来る。少年が次の日に宿題をしたならば確かにその明日はやって来たのである。やらなければいつまでもやって来ない明日。しかし宿題をやったならばそれは固定化され今日になり昨日になり印を付けられカレンダー上に固定化され歴史の一日となる。
 ガウディのサグラダ・ファミリアは未だに未完成で建設中である。という意味で建立何年という言い方は不可能である。しかしやがて完成すればその時から過去に置き去りにされてしまう事になる。つまり着手して継続中ならば未来はやってきながらも過去に過ぎ去る事も無いというわけだ。現在に固着して手から離れる事が無い。決して完成しない作業に着手すること。それが現在を生きている。