リメイクはなぜダメなのか

リメイクのダメさ加減を決定的に齎したものはと言えば私にとってそれは“帰ってきたウルトラマン”であった。初めて見た時、こんなはずはない、何かの間違いだと思いながら二度三度と見たが裏切られ続けた。やっぱりウルトラマンはもう帰ってこないんだと悟ったとき私の中で何かが終わった。あれが名作というのが何かの番組であったような気もしたが私の感性とはもうまったくすれ違う事もなかった。チキンラーメンおいしいというぐらい私の中では違和感がある。チキンラーメンの作り方や食べ方がどこか間違っているのだろうかと思い何度か試したような記憶もあるが定かでない。こうしてチキンラーメンはまずい、“帰ってきたウルトラマン”つまらないという事が私の中で確定した。
 で、リメイクはなぜダメなのかである。まず観客の期待値が上がっている。最初から知名度のある昔の作品を持ち出すのだからそれは両刃の剣である。まず最初の作品はなぜ成功したのか。そこは誰も期待せず内容に魅せられて引き込まれていったのだろう。一体どういうものだろう。そこに少なくても驚きがあるから惹かれるのである。それがリメイクでは難しい。へたに驚かせようならこれは○○ではない、と言われてしまい、かといってなぞっていては何の魅力も引き出せない。それがリメイクのジレンマと呼ばれるものである。