デザイン革命1

本当のDTP革命とは何を指すのか。
もうプロになんか任せておけない。DTPとはこれまで高価な専用な機器が必要だった出版という行為がパソコンとプリンターだけで誰にでもできる行為に解放された事を意味する。しかし現状では専門行為の壁に阻まれて容易にその牙城は崩せようにない。これは他の分野でも同じ事。ムービーも誰でも編集までこなせるパソコンを持っていたとしてもそのムービーの組み立て、考え方までは用意してくれない。ブログ等でも誰でも文章を書ける環境は用意されたが誰でも読ませる文章を書けるわけではないという事に繋がっている。DTPの場合もデザインから始まりレイアウト、内容、構成。印刷までに持っていくクオリティ、印刷独特の決まり、フォーマットなど様々な障害が立ちはだかっている。それでDTPが幻想である事が露呈したわけだが本当はその橋渡し役がいればそれ程非現実的な事ではないのだけれど、誰も面倒なのでしないだけなのである。そうやって業界の独占を守る事は業界にとっても良い事なので誰も手を付けようとはしない。それでなくてもこの業界はDTPと騒がれた頃から価格競争で疲弊していて存続だけで精一杯なのでとてもそんな所まで手が回るはずはないのである。
 で変わったのはアナログからデジタルになっただけで構造自体は何も変わっていないのだ。そのデジタルになったという所もデザインのデジタル化はまったくアナログ的でGUIの成果なのだろうが切った貼ったをパソコンの中でするようになっただけに過ぎない。こうして旧体制はそのまま温存され道具だけが変わったというのが現状なのだ。でDTPは誰にも出版を解放せずに機材が変わっただけで今まで通りの仕事の流れが続いている。DTPが見た夢は一般企業が自ら出版する事であり専門家を通さないで誰にでも出版できる自由を謳歌する事だったのである。それは個人でも同じ。あらゆる同好会や趣味の集まりが自ら出版できる自由を獲得する事。
 しかし時代は変わりネット時代になってしまいブログ全盛時代には出版も必要なくなりつつある。もちろん全ての印刷が必要なくなったわけではないが選択肢が増えた事はより自由な行動を可能とする。で、ブログである。ブログを企業が使おうとすると何かと問題が起きている。これは建前の世界と本音の世界がぶつかりあうからだろう。ブログとは基本的に本音の世界である。企業は建前の世界である。それを結びつけようとするのだから不整合が起き拒否反応が出る。企業がブログ等を使おうとしたら今までの建前の世界のままではどうにもならない。スタンスのコペルニクス的転回が必要なのだ。こういう企業でも社員一人一人は普通の人が働いています的な裏側を見せるような使い方でなければうまく行かない。そうやって親しみを持ってもらう方向だけがうまく行くヒントだろう。あくまでも企業サイトとは別個のものという捉え方でないと混乱するだろう。いわば企業のオフィシャルサイトとプライベートサイトという位置づけでそのプライベートサイトを一般にも解放するという見せ方で親しみをもってもらうという戦略である。話が何か脱線してしまったようなので今回はここまで。