デザイン革命2

 話を大きく広げ過ぎて何から語っていいか分からなくなってしまったがその射程は遠くに置いてしまったから増々どうなるか分からない。現代社会が抱える問題に専門化の弊害があるわけだが自分がやってる専門領域の事は隅々まで分かるが外の社会の事はぼんやりとしか分からないという問題。専門領域が社会に役に立つのは専門以外の所で起こった問題を専門家の見地で解決しようとする所にあるのだから専門以外の所で起こった問題がどういうものか分からなくなっているというのは大きな問題だ。つまり専門家はどういう対処をしてどう解決するかが求められるわけだが類型的な解決方法だけが分かっていても具体的な対処の仕方が分からなければ解決方法まで辿り着けない。
 みんなが様々な専門領域の専門家で仕事をしているのは専門家同士という事がある。お互い自分の仕事は明るく目敏いが人の仕事は分からない。だからそれを橋渡しする人々がいないのだ。専門家しかいない世界で自分の場しか動けない人間がいくら集まっても何の発展も交流も仕事も発生しない。で行われるのはこれまで通りの1パターンなありふれた仕事だけである。自分たちのやる事は決まっていてベルトコンベアー宜しく自分の役割の中だけで黙々と役割をこなす。別にベルトコンベアーがあるわけでもないのに自ら見えないベルトコンベアーを置いて流れ作業の一カ所に留まるのだ。で、仕事がないと言われればそんな決まりきった仕事がそうあるわけもなし。
 で、パソコンで高価な機械を必要とせずとも可能にしたものとは自分の専門以外の事も自らやってしまおうよって事ではなかったのか。それがプロなんかもう必要ないという論旨である。印刷もデザインも音楽も映像も出版も小説もみんな自分一人でできるじゃん、ということである。それは無理! そこまで広げなくても自分の殻に閉じこもってないでコンピュータはもっと様々な可能性を広げてくれるのでないの、ということをジョブズも思っているに違いない。それがAppleの夢のはずであり私の夢でもある。また話がズレてしまった。一体この話はどこに連れて行ってしまうのか。