あらゆる術ができる陰陽師でも現実の問題をどの術で対処するかを知らなければ解決に至らない

術の専門家であっても実際の問題でどの術を使うかに通じなければミッションは失敗する。

例えばある家で雨漏りがしてそれを修理した所、家人が病に倒れてしまう。この病を陰陽師に相談した所その修理が原因だという。修理によって霊の通り道が塞がれてしまった為、霊が家人に付いたというのだ。
 これなども病を治す術だけを知っていてもこういう判断はできないわけで要は環境に対する全般的な知識が求められるわけである。所が現代は術だけを教える養成講座になってしまって全般的な知識が求められる陰陽師が育たないのが現状だ。それではただの術師である。これでは原因まで判断してもらってこれこれの術を施せば良いという所まで連れてってもらって術を使う事しかできない人になってしまう。つまり何が問題なのかを判断できる人がいなければ間違った施術を行ってしまいかねない。ですから緊急の課題として総合判断できる陰陽師の養成が出来る体制が望まれるのである。

 このように専門知識だけあっても実際の役には立たない人間が大勢輩出されているのが現状である。それを結びつけるこれまた専門のコーディネーターなるものを作る事もできるが一人一人が自分の枠を踏み越えて幅広い一般知識を身につける事が専門化し過ぎた社会には必要なのだろう。