イメージ先行で嫌いになるもの

例えばカフカなんて言うのも自分の場合その一例だ。どうしても東欧の暗い石造りの灰色の街が現れてきて情景描写などされるとそういう雰囲気に染まってしまう。自分が「変身」や「審判」が嫌いなのもそういう風景が立ち上がってしまい、息が詰まりそうな感覚に襲われるからだ。そこへいくと短編集などはイメージの世界が優先するのでそういう地味な街並から外れてもっと自由な風景をイメージできる。それも固定観念の悪癖なのかもしれない。そういうイメージをぬぐい去って真っ白な境地で望めばまた新たな興味が表れて来るのかも。