苦難とは自信の裏付けの為

いきなりそのままのあなたでいいと言われても人間信じられるものではありません。こんな自分でいいのか。何もして来なかったのにそのままの君が良いと言われても戸惑ってしまうだろう。そこで用意されるのが下積み時代というものだ。それが実際には紆余曲折の非効率なものであっても自分自身に言って聞かせられる効用というのがある。自分はこれこれの事をしてきたのだ。それが一番の重要な事なのかもしれない。
 ここで効率の良過ぎる社会というのを夢想してみる。無駄な努力は一切無く、全ての行動は目的の為に一直線に進む。そうすると余りする事は無くなり人生は有り余る時間をどう使うかが重要課題になる。何かあまり情熱が湧かない社会のような気がする。紆余曲折があって常に計画が変更される社会の方がダイナミックで楽しそうだ。この混沌の中にあって誰もが決定的な何かを持ち得ない時自分の確からしさをどうやって保つか。そこに自分の苦労だけにしがみついているのも余りカッコいいものではない。誰もが同じ条件で同じスタートラインに立っていると思った方が楽しいには違いない。