報道することの災い

硫化水素自殺でも通り魔でも報道によって連鎖が起きます。これを防ごうと思ったら報道を止めるしかない。しかし報道にはそれを抑制するモチベーションがない。なぜって報道は事件が起こるほど儲かるビジネスモデルだからです。だから事件を未然に防ぐという方向に働かない。これが報道が社会の役に立たない原因でもある。つまり現在進行形で動いている陰謀を察知して報道しても事件になる前の事なんて三行記事にしかならないわけで、それよりじっと待機して事件になるのを傍観して事件になった後詳しく報道した方が膨大な利益をもたらすのである。この報道の構造は人間社会の特質なので社会がある限り変わらないのではないのか。そこに未必の故意を認めるのか。それが認められると既存の報道機関は存続できないと思うが。より良い社会とは何か。報道機関のあり方が今、あらためて問われているのかもしれない。
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