個人の同一性と他者性の問題

「自分は喫煙するけどマナーの悪い人が多すぎるのはちょっと。歩きタバコとか死んで欲しい。」
と思った事は自分もある。と同時に歩きタバコもした事もある。それはもう過去の事だから免罪だ、今の自分は違うとも言える。
この時、歩きタバコ死ねと思った自分と歩きタバコをした自分は違う存在かという問題。それは過去と現在の自分は同じか違うかという立場によって分かれる意見でもある。同じ意識のつながりとしての過去から続く一個の存在なのか、日々更新され変わりゆく存在なのか。しかし後者をとった場合現在の法律の体系では犯罪者を捕らえられないという不具合を持つ為に採用を断念せざる得ないという制限があるのが現状である。そうなると一度犯した罪は永遠に許されないのだが、何事もコストの問題に行き当たるのが人間社会の常であるから時効というのが存在するのである。
 というわけで私の歩きタバコももう時効なので、今の自分は堂々と「歩きタバコ死ね」と言えるわけである。これで個人の同一性と他者性の問題は解決である。